怖い系でもグロ系でもなく、
SF脱出ゲームアクションだった。
予備知識ほぼゼロの状態でそんなに期待せずに見たら、
思いがけずそこそこ面白かったのでおすすめです。
予告映像がけっこうがっつりネタバレしているようなので、
これから本編を見るかもしれないなら予告は見てはいけませんぜ。
あらすじ
森の中に迷い込んだ3人の見知らぬ男女を待ち受ける奇妙な運命を描いたサスペンスミステリー。
トランス・ワールド : 作品情報 - 映画.com
とある森の奥深く。
夫とドライブ中にガス欠に陥り、ガソリンを買いに行ったまま戻ってこない夫を探していたサマンサは、
1軒のキャビンにたどり着く。
するとそこに、同じように車のトラブルに見舞われた青年トムが出現。
さらに、今度はジョディという女がやって来る。
ネタバレ無し感想
前半の所々で感じた違和感が実はすべて伏線で、
それを後半で一気に回収していく様が見事。
因果が明らかになっていくにつれて、
鑑賞している側も「もしかしたらそうなんじゃないか…もしかしたら…」と徐々に勘付いてきて、
それが当たりとわかったときにはもう引き込まれていました。
キャスティングも絶妙としか言えない。
以下ネタバレあり感想
いや本当にキャスティングが上手いですよね。
そう言われればそうとしか見えない俳優さんばっかり。
サマンサの妙に古臭い両家のお嬢さんな雰囲気とか、
ジョディの昔のヤンキーっぽい雰囲気とか…。
ラストについて
ラストでジョディとサマンサしかおらず、
トムの父親(と思われる)ケヴィンとジョディは付き合っているどころか知り合いですらなさそうということは、
ラストの未来ではトムは生まれないということか…?
そもそも劇中、トムの曽祖父ハンスの時代を起点にして過去を変えた時点で、
ラストにいる幸せそうなサマンサとジョディの母娘はあの小屋に至ったふたりとは違う人生を生きているので、
それぞれがそれぞれの「そうなるかも知れなかった可能性のひとつ=平行世界の自分たち」で、
同一人物であるが同一人物ではない…んですよね。
『妖狐×僕SS』(いぬぼく)のラストみたいな感じなのかな…。
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平行世界は発生しても本流に合流して消えるよ派と平行世界もそのまま存在し続けるよ派によって、
ラストシーンの好き嫌いというか評価が分かれそう。
生みの親の過去に介入したトムやサマンサが消えたし、そもそも後者の立場をとるならこのオチがつけられないので、
この映画では前者ですよね。
ということはこの劇中の話も結局なかったことになったのか…とちょっと悲しくなったりもしますが、
よく考えたらその一抹の虚しさこそが時間SFの醍醐味だということを思い出したよ。
あの怪しい店主は生まれてしまった平行世界を本流に戻そうとする大宇宙の意志的な何かなのか…あのヒゲのおじさんが…。
ネタバレ無しでさらっと感想を書くだけにしようと思っていたら色々書いてしまいました。
面白かったです。
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