【ネタバレあり】劇場版『若おかみは小学生!』を見た…。
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素晴らしい…。
先日、Eテレで地上波初放送となったアニメ映画『若おかみは小学生!』を見ました。
この映画が劇場公開された直後、
Twitter(というか私のTL)でかなり話題になっており、見に行くかどうか一瞬迷ったんですが、
さすがにこのビジュアルの映画を齢三十を過ぎた女が一人で見に行くわけにもいかず、
地上波で放送、またはアマプラ等に落ちてくるその時を虎視眈々と待っておりました。
拙い文章ですが、感想を書いていきます。
※以下には多少のネタバレがありますので、
これから鑑賞を予定している方は見ないほうがいいかもしれません。
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劇場版『若おかみは小学生!』とは
令丈ヒロ子氏原作の同名人気児童文学シリーズをアニメ映画化したもの。
劇場アニメ化の前にテレビアニメ化もされている(らしいけど未視聴)。
監督は、多数のスタジオジブリ作品で作監をつとめた経験のある高坂希太郎氏。
ちなみに高坂氏は初監督作品『茄子 アンダルシアの夏』の主人公の声に洋ちゃんを抜擢したり、
どうでしょうDVDのOP映像を制作したりするなど、
ジブリのどうバカとして一部界隈で有名です。
あらすじ
交通事故で両親を亡くした主人公の小学生・おっこは、
祖母が営む温泉旅館「春の屋」で暮らすことに。
おっこにしか見えない幽霊の少年・ウリ坊の計らいで、
「春の屋」の若女将としての修業を始めるが…。
感想
冒頭にも書いたけど、素晴らしい。
あかんところがない。
アバン*1の段階で、これはものすごいアニメ映画かもしれんぞとワクワクさせてくれるような精緻な描写や演出がいっぱい。
その勢いがラストまでしっかり続いてたのが、
これまたすごいですよね。
ジブリで作監をしていた高坂監督ならではのジブリっぽさもふんだんにあったしね。
主人公の父親は誰がどう見ても完全にトトロのサツキとメイのお父さんのオマージュですもんね。
妙に棒っぽい喋り方とか声とかも含めて。
「泣ける映画」として
「泣ける映画=良い映画」では決してないことは百も承知の上で申し上げますが、
これは泣ける。
小学生の女の子が奮闘する話ってもう、
そんなんもうそれだけで泣けるに決まってるやん。
最初の宿泊客あかねくんとプリンのくだりでもうダメでした。
劇中最後の宿泊客CV:山寺宏一が実はおっこの両親が亡くなった事故を起こした運転手だったことが判明した時なんかはもう…。
水領様ありがとう…。
前職が弱小メーカーの物流事務だったので、
最近『魔女の宅急便』で幼いながらに宅配業務に従事し時には理不尽な目にもあうキキを見るとめちゃくちゃ泣けるようになってしまったんですが、
それに近いものを感じます。
キャラクターの二面性
二時間程度の上映時間の中でけっこうな数のキャラクターが登場するのに、
そのうち殆どの人物の二面性・深みをきちんと無理なく描けているのが素晴らしい。
というか真月ちゃんいいよね…。
お金持ちでプライドの高い派手な美少女という主人公のライバルキャラのテンプレみたいなキャラですが、
そのプライドは実は相当な努力によって裏打ちされているものなんですよね(ここまでがライバルキャラのテンプレの場合もある)。
それが他の登場人物のセリフから、そして真月ちゃん本人の行動からもわかるように描かれているのがすごい。
このレベルで他のキャラも描かれているのもすごい。
ラストシーンについて
王道。だがそれがいい。
本編のラストで花の中で舞いを奉納するおっこが観客の中に両親のすがたを見るシーンなんかは、
両親亡くしてる系主人公の作品ではよくある演出*2だとは思いますが、正直グッときてしまったよ。
あと、最後の最後のシーンの決めポーズ?で、
おっこは足がプルプル震えているように見えるのに、
真月ちゃんは全く震えていないのが良いよね。
細かい。描写が細かいぞ。
努力家…。
唯一気になる?ところ
「あかんところがない」と書きましたが、
あかんというか、これは感想を書かねばならんなと思った点がありまして、
まぁ他の方も散々指摘されていると思われるのですが、
小学生のおっこにそこまで求めるか?
という点です。
おっこはCV:山寺宏一の宿泊客が実は両親が死亡した事故の加害者だったという事実を知り、
最初は混乱し春の屋を飛び出してしまいますが、
最終的には若おかみとして、CV:山寺宏一が春の屋に宿泊することを笑顔で受け入れます。
そして、それが正しく良い行いであるかのような描かれ方をしています。
確かに、そのシーンを見たときは一瞬「いや、なんで小学生の女の子にそんな聖母みたいなマインドを強いる?」って思ったけど、
ちょっと考えてみるととその時、
劇中の大人達はそうならないようにちゃんと対処してるのよね。
祖母であるおかみは事実を知った直後に真月ちゃんの旅館へ宿泊先を変更するように手配しているし、
水領様は車で駆け付けてくれているし、
何よりCV:山寺宏一本人があまりの辛さ、そしておっこへの配慮で春の屋を離れようとしているし。
今は若おかみとして振る舞う必要はない、
まだ小学生の子供として泣いてもいいんだよというスタンスをとってくれている。
その上で、周りの大人たちの想像を凌駕するほどに成長したおっこを描きたかった…のだと、
私は思うんですが…。
まぁ気になるのはわかる。
特に、自身や親しい人がおっこと同じような境遇だった場合は、
見方が変わるかもしれないポイントですね。
まとめ
とりあえずもう一回見ます。
良い映画を見た…。