とあるバビロニアンのブログ。

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【ネタバレ】アニメ『新世界より』を見ました。【感想】

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序盤の作画がもう少しまともなら傑作として後世に語り継がれただろうものを…。


どうやったらこんなすごい話思いつくねんってくらい面白かったので、
そこだけが悔やまれる…。




第1話「若葉の季節





あらすじ



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引用元:Amazon.co.jp: Prime Video



1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。

注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、
平和な生活を送っていた。
その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、
同級生たちと町の外へ出かけ、
先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。
そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、
現在に至るまでの歴史を知ってしまう。

禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。

Wikipedia:新世界より(小説)

原作



原作は、『青の炎』『悪の教典』の貴志祐介氏の同名小説です。

アニメのストーリーに大きな改変はなく、ほぼ原作に準拠しているようです。




新世界より(上) (講談社文庫)


新世界より(中) (講談社文庫)


新世界より(下) (講談社文庫)




新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)





感想



【注意】
ここからはネタバレばかりが書いてありますので、
未視聴かつこれから視聴する可能性のある方はスクロールしない方がいいかも!















序盤の作画崩壊について


冒頭に述べて、かつ色んな所でも言われているように、
作画が…。


私は作画にはそれほど煩くないと自負していて、
一番好きなテレビアニメは?と聞かれたら、
放映当時から作画崩壊で有名だったらしい『幻想魔伝最遊記』を挙げるくらい作画の乱れには寛容なんだけど、
その私でも4、5話あたりの作画はきつかった。

作画がひどいうえに動画と構成もひどくて、
おまけに夜とか洞窟の中とかの暗いシーンが多かったので、
何が起こってるのか全然わからなかったです。


一気見している私でも正直視聴を切ろうかと思ったので、
リアルタイムで一週間に一本ずつ見ていた人はさぞもどかしかったであろうよ。

実際に序盤で切った人もたくさんいたと聞く。
まじで勿体ないわ…序盤というか、視聴者が慣れるまでは作画頑張ってほしかった…。


主人公「渡辺早季」について




第1話「若葉の季節

渡辺早季|キャラクター|新世界より|テレビ朝日



私が序盤で視聴を切ろうかと思った最大の原因は上で述べた作画崩壊なんですけど、
他に主人公の渡辺早季(以下「サキ」)にいまいち感情移入ができなかったという点もあります。

それは序盤に限らず、最終話に至っても常に。


力も策も無いのに自信と我と行動力だけはやたら強い系の主人公なんですよね。サキちゃんは。

しかも主人公補正もばっちり効いてるから、
窮地に陥ってもなんとかなっちゃう。


今から1000年後の未来のガッチガチの管理社会に何の疑いも持たずに生きている超能力を得た人類だから、
今の私が感情移入できないのは当然と言えば当然で、
おそらく意図してそう書いているのだろうけど、
それにしたってなんかずっと得体の知れない自信に満ち溢れてて気味が悪かったです。


作中で富子様とか真理亜とかサキちゃんの母親が言っている、サキちゃんが持つ「強さ」というのは、
そういう行動力とか自信とかを言っているんだろうな。


バケネズミについて


最終話を見終わった瞬間の感想が「もうこんなんスクィーラが主人公やんけ…」で、
主人公たち人間側よりもバケネズミ側に感情移入できてしまいました。

だって人間だもの。


主人公たち超能力を持った人間ではなく、
超能力を持たなかった人間が元のバケネズミにより共感ができたのは、
当然と言えば当然でした。



幼馴染の覚もろとも悪鬼を倒すことができず悪鬼への唯一の対抗手段であったサイコバスターを無駄にしたサキが
バケネズミの奇狼丸には少しの逡巡で悪鬼への特攻を指示したり、
バケネズミが元人間だとわかった後なのに一切の愧死機構の発動なしに微笑みながらスクィーラ(だったもの)を燃やしたり…、
サキちゃんそういうとこやで。


判断が合理的かつ早すぎる。

サキちゃんを町の指導者に推した富子様の目はある意味正しかったですね。



知り合って10年以上の流暢に日本語を話すスクィーラには全く愧死機構が反応しないのに、
人語を介さないが真理亜と守の子供であるポッと出の悪鬼ちゃんを間接的に倒してばっちり愧死しかけるのがなぁ…。

しかもそれを何とも思ってない(ように見える)のがなぁ…。

業が深いわ…。





結末について


アニメのラストは、10年後のサキちゃんが自らの臨月のお腹を撫でながら未来への希望を手記に綴って終了という一見ハッピーエンド風な終わり方だったけど、
これ根本的には何の解決にも至ってないやんけ。


人間の呪力愧死機構は何も変わってないっぽいし、
ということは業魔悪鬼への策は普通にないっぽいし、
しかも不浄猫をイエネコ化したら今までみたいにヤバそうな子供を間接的に間引けないから、
むしろ状況は悪化しているのでは…。

しかも奇狼丸が命を賭して守ったバケネズミのコロニーがまだ残っているので、
それこそスクィーラが最期に言っていたように第二第三のスクィーラが現れるリスクは今までと同じようにあるしな。


そういう含みのあるラストということでいいんですよね?


最後に


色々書きましたが、『ケムリクサ』以来くらいですよこんな視聴後の喪失感がすごいアニメを見たのは。

世界がしっかり作りこまれているからだろうな。
序盤のグダってた所(玉転がしとか作画崩壊のとことか)以外はすごく面白かったです。


拍手皇帝ほんとすこ。